LinuC-1 - 102試験 - 1.07:ネットワークの基礎 - 1.07.4 クライアント側のDNS設定

Last Update : January 02 2021 16:07:26

     

a. 名前解決

名前解決とは、数字の羅列であるIPアドレスをわかりやすいホスト名で置き換えることで、アクセスしやすくするための仕組みです。 IPアドレスとホスト名を対応付ける仕組みです。
ホスト名からIPアドレス、またはIPアドレスからホスト名に変換する仕組みです。
ホスト名からIPアドレスに変換することを正引き、IPアドレスからホスト名に変換することを逆引きといいます。



b. クライアント側のDNS設定

名前解決を行うのは、リゾルバというライブラリです。リゾルバはクライアントプログラムから名前解決を依頼されると複数の名前解決手段を使って名前解決を行います。

  • /etc/hosts
    /etc/hostsには、IPアドレスとホスト名が対応付けられたリストが記述されています。そのリストから名前解決を行います。
    hostsファイルはホストが追加されたり、削除されたりすると、手動で修正しなければならないため、ネットワークの規模が大きくなるとhostsファイルの更新が大変になります。
  • NIS(Network Infomation System
    ネットワーク上のコンピュータ間でユーザのアカウント情報やホスト名の情報などを共有し、配布するためのシステムです。
    NISはクライアントサーバ型のディレクトリサービスプロトコルの一種であり、アカウント情報やホスト名情報以外にも、複数のコンピュータで共有すべき各種情報を一元管理することが可能です。
  • DNS(Domain Name System
    同じネットワーク内のIPアドレスとホスト名のリストを一元管理するDNSサーバーがあり、そのDNSサーバーに依頼して名前解決を行う仕組みです。
    依頼されたDNSサーバーは自分が管理しないホスト名やIPアドレスの場合は、上位のDNSサーバーに検索に行き、それでも見つからなければさらに上位のDNSサーバーに検索に行くことができる、分散データベース型の仕組みです。
    最初に名前解決を行う自ネットワーク内のDNSサーバーの指定は、/etc/resolv.confファイルに記述します。

これらの手段を決められた順序で調べて、名前解決を行います。
調べる順序は、/etc/nsswitch.confに記述されているため、調べる順序を変更する場合は、このファイルを修正します。

/etc/resolv.conf ファイルの設定例

# vi /etc/resolv.conf
nameserver 192.168.1.1 nameserver 192.168.1.2

nameserver という項目の後ろにDNSサーバのIPアドレスが記述します。
このほか、/etc/resolv.conf ファイルには「domain」や「search」という項目も用意されている。
この2つの項目の役割はほぼ同様であり、クライアントが通信を行うときに、通信相手をドメイン名を除いたホスト名のみで指定できるようにする設定項目である。 以下が設定例である。

domain example1.co.jp 又は、 search example1.co.jp example2.co.jp example3.co.jp

domainとsearchの両方を指定することはできません。domainとsearchの両方を指定した場合には、最後に指定したほうが有効となります。


z. 出題範囲概要

概要 :
  • DNSクライアントの設定ができる。

詳細 :
  • リモートDNSサーバーに問い合わせる。
    host, dig
  • ローカルの名前解決の設定によりリモートDNSサーバーを使用する。
    /etc/resolv.conf
  • 名前解決の実行順序を変更する。
    getent, /etc/nsswitch.conf, /etc/hosts

  [ 例題 ] 


         

    www.it-shikaku.jp