LinuC-1 - 102試験 - 1.07:ネットワークの基礎 - 1.07.3 基本的なネットワークの問題解決

Last Update : August 21 2022 17:47:19

     

a. ネットワーク関連コマンド

1.ネットワークの疎通を確認する[ ping ]

ping コマンドは、リモートホストに対してIPパケットを送信し、そのパケットが正しく届いて返信が行われるかを確認するためのコマンド

● ping コマンド構文
  ping [オプション] [ホスト名 又は IPアドレス]

● ping オプション
 -c 回数 ICMPパケットを回数分だけ送信する
 -i 間隔 指定した間隔(秒)ごとにICMPパケットを送信する

# ping -c 4 192.168.24.1
PING 192.168.24.1 (192.168.24.1) 56(84) bytes of data. 64 bytes from 192.168.24.1: icmp_seq=1 ttl=64 time=0.276 ms 64 bytes from 192.168.24.1: icmp_seq=2 ttl=64 time=0.263 ms 64 bytes from 192.168.24.1: icmp_seq=3 ttl=64 time=0.257 ms 64 bytes from 192.168.24.1: icmp_seq=4 ttl=64 time=0.252 ms --- 192.168.24.1 ping statistics --- 4 packets transmitted, 4 received, 0% packet loss, time 2999ms rtt min/avg/max/mdev = 0.252/0.262/0.276/0.009 ms


2.リモートホストまでの経路を調べる[ traceroute ]

traceroute コマンドは、指定したホストまでの経路を表示します。経路までたどり着く間に通るホストを表示します。また、各ホストにたどり着くまでの時間も表示されます。「*」が表示された場合はタイムアウトになったか応答がないことを表します。


● traceroute コマンド構文
  traceroute [ホスト名 又は IPアドレス]


3.ネットワーク経路のMTUを表示する[ tracepath ]

tracepath コマンドは、目的のホストへの経路をMTU(1回の転送で送信できるデータの最大値を示す値)を見つけながら表示します。


● tracepath コマンド構文
  tracepath [ホスト名 又は IPアドレス][/ポート番号]


4.ネットワーク関連の統計情報を表示する[ netstat ]

netstat コマンドは、ネットワークの各種情報を表示します。表示する情報は、「現在のソケットの状態」、「ルーティング情報」、「マルチキャストのグループ情報」、「ネットワーク・インタフェースの状態」、「IPマスカレードの情報」、「各種プロトコルの統計情報」です。


● netstat コマンド構文
  netstat [オプション]

● netstat オプション
 -a 全てのパケット情報を表示する
 -c 現在の状況を1秒ごとに表示する
 -i ネットワークインターフェイスの状態を表示する
 -n IPアドレスやポートを数値で表示する
 -p PIDとプロセス名を表示する
 -r ルーティングテーブルを表示する
 -t TCPポートのみを表示する
 -u UDPポートのみを表示する

利用中のTCPポートを表示するには、オプション -at を付けて実行します。

# netstat -ac
Active Internet connections (servers and established) Proto Recv-Q Send-Q Local Address Foreign Address State tcp 0 0 *:netbios-ssn *:* LISTEN tcp 0 0 *:sunrpc *:* LISTEN tcp 0 0 *:ftp *:* LISTEN tcp 0 0 *:ssh *:* LISTEN tcp 0 0 localhost:ipp *:* LISTEN tcp 0 0 localhost:smtp *:* LISTEN tcp 0 0 *:microsoft-ds *:* LISTEN tcp 0 0 *:59709 *:* LISTEN tcp 1 0 192.168.24.100:34347 a72-246-188-18.deploy.:http CLOSE_WAIT tcp 0 0 192.168.24.100:ssh 192.168.24.51:tivoli-npm ESTABLISHED tcp 0 0 192.168.24.100:59626 192.168.24.252:microsoft-ds ESTABLISHED tcp 0 0 192.168.24.100:50228 192.168.24.51:microsoft-ds ESTABLISHED tcp 0 0 192.168.24.100:35513 192.168.24.55:microsoft-ds ESTABLISHED tcp 0 0 *:netbios-ssn *:* LISTEN tcp 0 0 *:sunrpc *:* LISTEN tcp 0 0 *:http *:* LISTEN tcp 0 0 *:ssh *:* LISTEN tcp 0 0 localhost:ipp *:* LISTEN tcp 0 0 localhost:smtp *:* LISTEN tcp 0 0 *:https *:* LISTEN tcp 0 0 *:microsoft-ds *:* LISTEN tcp 0 0 *:51107 *:* LISTEN tcp 0 0 *:swat *:* LISTEN

State欄がListenは、そのポートで待ち受けしている状態です。ESTABLISHEDのものは、現在接続中であることを示します。



5.ルーティング・テーブルを表示・設定する[ route ]

route コマンドは、ネットワークでどのようにデータを通信していくかを決める経路情報(ルーティング・テーブル)を表示・設定します。ルーティングの新規登録やデフォルト・ゲートウエイを指定できます。

● route コマンド構文
  route [オプション]

● route オプション
 -F ルーティングテーブルを表示する
 -C ルーティングキャッシュを表示する
 add パラメータ ルーティングテーブルに新たな経路を追加する
 del パラメータ ルーティングテーブルから経路を削除する

デフォルトゲートウェイを設定するには

# route add default gw 192.168.1.1


6.ARPキャッシュを操作する[ arp ]

arp コマンドは、IPアドレスとMACアドレスの対応表である、ARP(Address Resolution Protocol)テーブルの表示および設定を行います。表示結果の「Flags Mask」には一定時間利用されないとテーブルから削除される「C」、永久にテーブルに確保される「M」、公開エントリの「P」があります。

● arp コマンド構文
  arp [オプション] [ホスト名 又は IPアドレス]

● arp オプション
 -n ホスト名、ポート名、ユーザー名を解決せずに番号で表示する
 -v メッセージを表示する
 -a ホスト名 指定したホストに対しての情報を表示する
 -d ホスト名 指定したホストのエントリーをすべて削除する
 -i インタフェース 指定したインタフェースを選択する
 -s ホスト名 ハードウエア・アドレス ARPアドレスのマッピング・エントリを手作業で設定する

現在のARPテーブルを表示するには

# arp
Address HWtype HWaddress Flags Mask Iface 192.168.1.10 ether 00:0C:6E:XX:XX:XX C eth0 192.168.1.1 ether 00:07:40:XX:XX:XX C eth0


7.ホストの情報を検索する[ host ]

host コマンドは、DNSサーバーを検索して指定したホストの情報を表示します。ドメイン名やホスト名を指定すると、それに対応したIPアドレスが表示されます。また、逆にIPアドレスを指定した場合は、そのホスト名またはドメイン名を表示します。

● host コマンド構文
  host [オプション] ホスト名 又は IPアドレス [DNSサーバ]

● host オプション
 -v 詳細な情報を表示する

www.yahoo.co.jpのホスト情報を表示するには、

# host www.yahoo.co.jp
www.yahoo.co.jp is an alias for www.g.yahoo.co.jp. www.g.yahoo.co.jp has address 203.216.251.233


8.ホスト名を表示、設定する[ hostname ]

hostname コマンドは、ホスト名の参照、変更を行います。変更にはスーパーユーザー権限が必要となります。

● hostname コマンド構文
  hostname [ホスト名]

ホスト名なしで実行すると、設定されているホスト名を表示します。

# hostname
sakura.local.domain

ホスト名を設定する場合は、後ろにホスト名を付けて実行します

# hostname momiji.local.domain
# hostname
momiji.local.domain



z. 出題範囲概要

概要 :
  • ホスト上のネットワークに関する問題解決ができる。

詳細 :
  • ネットワークに関する問題の原因を調査する。
    host, dig, ping, ping6, netcat(nc, ncat), netstat, ss
    traceroute, traceroute6, tracepath, tracepath6
  • 必要に応じてネットワークインターフェイスの追加、起動、停止、再起動、削除、および再設定する。
    ifconfig, ifup, ifdown, hostname
  • ルーティングテーブルを変更、参照、設定し、不適切なデフォルトルート設定を手作業で訂正する。
    ip route, route

  [ 例題 ] 


         

    www.it-shikaku.jp